〜4〜 第1章 4段落目

 

 

《本文》
The outsider may indeed wonder at this seeming much ado about nothing. What a tempest in a tea-cup! he will say. But when she consider how small after all the cup of human enjoyment is, how soon overflowed with tears, how easily drained to the dregs in our quenchless thirst for infinity, we shall not blame ourselves for making so much of the tea-cup. Mankind has done worse. In the worship of Bacchus, we have sacrificed too freely; and we have even transfigured the gory image of Mars. Why not consecrate ourselves to the queen of the Camelias, and revel in the warm stream of sympathy that flows from her altar? In the liquid amber within the ibory-porcelain, the piquancy of Lao Tzu, and the ethereal aroma of Sakyamuni himself.

《全訳:工藤さやこオリジナル》
傍から見れば、『そんな大袈裟な!』と本当に思われるかも知れない。『茶碗ごときの事で!』と。
しかし我ら日本人は思うのだ。ほんの小さな茶碗一碗を楽しんだからと言って、そんなに咎められることもなかろうと。
(どのくらい小さいかと言うと…)涙ですぐに溢れてしまうくらい、すぐに飲み干せてしまうくらい(喉の渇きは永遠に癒やせないのではあるが)。
人類はそれ以上に悪い行いをしてきたのだから。
酒の神バッカスを崇拝するあまり、多くのものを犠牲にしたり。
軍神マーズの血だらけのイメージを美しく理想化して英雄扱いしたり。
いっそ椿姫に身を捧げ、その祭壇から流れ出る温かい同情の小川を大いに楽しもうではないか。
象牙色の器に入った琥珀色のその液体の中に、茶道の入門者は孔子の甘美な沈黙に触れることができるかも知れない。あるいはそれは老子の刺激であるかも。さらには、この世のものとは思えないような香りを持つ釈迦その人に触れることが出来るかも知れないのだ。

《単語&文法の説明》
●wonder at(群動詞)〜に驚く
●seeming(名詞)考え方
●ado(名詞)から騒ぎ
much ado about nothing から騒ぎ
●tempest(名詞)嵐
a tempest in a teacup から騒ぎ
●after all 結局のところ
●overflow(自動詞)溢れる
●drain(他動詞)排水させる(自動詞)排水する
●dregs(名詞)おり
drain O to the dregs Oを飲み尽くす
●quenchless(形容詞)消すことのできない
●thirst(名詞)喉の渇き
●infinity(名詞)無限
●blame(他動詞)〜を非難する
●Bacchus 酒の神バッカス
●sacrifice(他動詞)〜を犠牲にする
●transfigure(他動詞)〜の外観を美しく変える
●gory(形容詞)血だらけの
●consecrate oneself to 〜に身を捧げる
●revel in 〜を大いに楽しむ
●altar(名詞)祭壇
●liquid(名詞)液体
●amber(名詞)琥珀、琥珀色
●initiate(他動詞)〜を始める、入会する
the initiated 入門者
●reticence(名詞)沈黙
●Confucius 孔子
●piquancy(名詞)刺激
●Lao Tzu 老子
●ethereal(形容詞)霊妙な、この世のものとは思えない
●Sakyamuni 釈迦

2020年03月24日